通気性の高いすのこは、ベッドの床板としても人気があります。
天然木で作られているものも多いため、香りで癒される、見た目の雰囲気が優しいという意見も少なくありません。
ただ、すのこベッドは強度が低いので軋んだり、たわんだりするという声もあり、購入をためらっている人もいるようです。
すのこの床板の向きは縦が良いのか、横が良いのか、そもそも縦と横で何が違うのかなど、すのこベッド購入を検討したいけれどわからないことが多いという人もいるのではないでしょうか。
ここでは、すのこベッドの特徴やメリット、すのこ板の向きによる違いなどについてわかりやすくお伝えしています。
「すのこ」の特徴
「すのこ」は、少しずつ間隔をあけて並べた板や竹を軸となる角材に打ち付けたものです。
本来、竹を横に並べて綴じた「簀(す)」のことを指していたようですが、現在は形状が同じようなものをまとめて「すのこ」と呼びます。
使われる素材は檜や桐、パインなどの木材なので吸湿性が高く、水分を適度に発散してくれるという特徴があります。
また、並べた木材の隙間に空気の流れができるため、通気性に優れているのもすのこの特徴と言えるでしょう。
滑り止めとしてお風呂場の床に敷かれることもありますが、これはすのこに使われることの多い檜が水に強く、割れにくいという特徴を持っていたからと言われています。
また、押し入れの湿気対策としてすのこが使われることもありますが、木材の通気性、吸湿性が布団や荷物のカビ予防、湿気対策として有効だからです。
最近は、プラスチック製のすのこが使われることもあるので、素材としての吸湿性、放湿性は期待できませんが、すのこ形状であれば通気性が高いことは確かなので、湿気対策やカビ予防といったすのこの効果は期待できます。
すのこベッドのメリットとは
素材や形状を生かして様々な用途に使われるすのこですが、ベッドの床板としても人気が高く、すのこベッドにはたくさんの種類があります。
マットレスや布団には寝ている間にかいた汗がたまっていくので、吸湿性や放湿性が高いすのこは寝具の一つとして活用できますし、天然木の香りによるリラックス効果を期待する人も少なくありません。
すのこベッドならではのメリットを一つずつ詳しく見ていきましょう。
・通気性が高く湿気対策や暑さ対策に最適
すのこベッドの一番の特徴でもある通気性の高さは、同時にすのこベッド最大のメリットでもあります。
日本の夏は高温多湿、エアコンなしでは眠れない夜がどんどん増えていますが、エアコンをつけると体調が悪くなるという人もいます。
そんな人には通気性を高めてジメジメを軽減してくれるすのこベッドが最適です。
雨続きの梅雨の時期も、マットレスや布団に湿気がたまりにくいのでカビやニオイを予防できるうえ、すのこベッドの中には布団干しとして使えるものもあります。
お手入れに時間をかけられない忙しいご家庭、日中は仕事なので布団干しができない一人暮らしの方でも清潔なベッドで眠ることができるということです。
通気性に優れたすのこベッドの下は、常に空気が動いているので体温が高く汗っかきなお子様や男性も涼しく眠れます。
・デザインや素材が豊富
床板がすのこ仕様になっているベッドはデザインや素材が豊富で、自分に合ったもの、寝室の雰囲気に馴染むものを選びやすいというメリットもあります。
ナチュラルな雰囲気の寝室ならすべて天然木で作られたすのこベッド、スタイリッシュなお部屋ならスチール製など素材も様々です。
また、ベッドを設置したいけれど部屋が狭くなるので悩んでいるという人には、折り畳みできるすのこベッドもおすすめです。
古くから建材として使われている檜は湿気や水に強く、防虫、防ダニなどの効果も期待できるうえ、丈夫で長持ちする素材として人気があります。
また、目に見えないほど小さな穴が無数に空いており、調湿効果に優れた桐、カントリー調のインテリアに馴染みやすく、美しい木目が目をひくパイン材など素材ごとの特徴でもすのこベッドを選ぶことができるのもメリットと言えるでしょう。
・寝室にいながら森林浴効果
素材そのものが呼吸をするように湿気を吸い取ってくれる天然木は、その香りで癒し効果を得ることもできます。
高級家具にも使われる檜の香りはアロマオイルとしても人気で、特に日本人には馴染みやすい香りとも言われています。
気持ちを落ち着かせてくれる鎮静作用が高いので、リラックスしたい寝室にはおすすめの香りです。
桐は檜同様に古くから使われている木材で、天然のアロマと呼ばれる檜と並ぶほど特徴的な香りに人気があります。
また、誘眠効果が高く、睡眠時間を長くする働きを持つと言われる「セロドール」を含んだ杉は、血圧や心拍数を低下させ質の良い睡眠を取る効果が期待できる素材でもあります。
木が生い茂る森の中にいるようなリラックス効果が得られるのは、天然木で作られたすのこベッドならではのメリットですが、天然木の香りには殺虫や防虫効果もあるので、虫は苦手だけれど殺虫剤は使いたくない、ペットや小さな子供にも安心な防虫対策をしたいという場合にもおすすめです。
すのこ板の向きで強度や耐久性が変わる?
すのこベッドを購入しようと色々なベッドを比較していると、すのこ板の向きが「横」のものと「縦」のものがあることに気づくのではないでしょうか。
これまで、すのこ板の向きが縦の場合は耐久性が低くたわみやすいとも言われていましたが、実際にはそうとも言い切れません。
では、縦と横で何か変わるのか、変わるのであればどちらがベッドに適しているのかについて見ていきましょう。
・耐久性
すのこ板の向きが横の場合、体圧が分散されるのでたわみにくく耐久性が高いと言われています。
縦の場合は体圧が集中する場所がたわんでしまうということですが、すのこ板が縦でも裏面に横桟と呼ばれる横向きの角材がたくさん使われていればたわみを軽減できるため耐久性が劣ることはありません。
また、縦でも横でもすのこ板自体に厚みがあるものは強度が高く、耐久性にも優れています。
ベッドによっては厚さ2センチほどのすのこ板が使われているものもあり、耐荷重が300キロ、350キロと大きなものも増えているので、大柄な男性も安心です。
・通気性
押し入れなどの湿気対策ですのこを使う場合は、正面から見てすのこ板が横になるのが正しい向きだと言われていますが、これは裏面の角材が水平になると空気の流れを遮断してしまうからです。
すのこ板が横向き、つまり水平になれば裏面の角材は縦になるので押し入れの奥と入り口側に空気の流れを遮断するものがなく、効率的に空気を循環させられます。
ただし、ベッドの場合は周囲が開けた空間のためすのこの向きで通気性が変わることはないと言われているため、縦でも横でも気にする必要はなさそうです。
・寝心地
すのこ板が縦の方が寝心地が良いのか、横の方が良いのかは人それぞれ感じ方が違うので、どちらが良いとは言えません。
また、すのこ板の厚み、並べてある本数のほか、使用する寝具などによっても寝心地が変わってくるので、向きだけが影響するわけではありません。
すのこ板の向きが横の場合、縦の場合で明確に何が違うのか、どちらが優れているのかを結論付けることはできなさそうです。
すのこベッドを選ぶときには、すのこ板の向きではなく耐荷重や使われている木材の厚み、本数などをチェックするようにしましょう。
耐久性に優れたすのこベッド3選
大柄な人はベッドのきしみやたわみなどが特に気になるため、耐久性の高さでベッドを選ぶようにしましょう。
どのくらいの重さに耐えられるのかが一目でわかる耐荷重は必ずチェック。
すのこ板の厚みやフレームの太さなどもあわせて確認しておくと丈夫で長く使えるベッドを見つけられるでしょう。
耐荷重300キロの総檜頑丈すのこベッド
すのこ板の厚みは1.8センチ、耐荷重300キロの頑丈な総檜すのこベッドです。
使用するマットレスの厚みやお好みに合わせて、床面の高さを3段階に調節できます。
省スペースで設置できる多機能すのこベッド
耐荷重150キロで大柄な成人男性でも安心のすのこベッド。
床面下の引き出し収納や使い勝手の良い棚付きのヘッドボードなど、便利な機能も充実しています。
極太の横桟で耐久性を高めたすのこベッド
一般的なベッドより太い極太の横桟と厚さ3センチの極太フレームで耐荷重350キロをクリアしたすのこベッド。
天然木の風合いを生かしたシンプルデザインで長くお使いいただけます。
まとめ
すのこ板の向きが横でも縦でもベッドの耐久性や強度に大きな違いが出ることはなく、メーカーによる違い、デザインとしての違いと考えてよさそうです。
それよりも大事なのは耐久性に影響するフレームの厚みや太さ、すのこ板の厚みや素材などのチェックです。
たくさんのすのこベッドを比較して、安心、安全に眠れるお気に入りのベッドを見つけてください。